3年講評会
例年芸術展で行っている講評会、
今年はオンラインでその様子をお届けします!

3年の課題の一つに、国際コンペへの応募作品の共同制作があります。先日提出を終えたばかりの6つのコンペ案。例年は芸術展会場にて来場者を交えた講評会を行っていますが、オンラインでの開催ということで、事前に講評会の様子を収録し、公開することにしました。


このコンペティションでは、応募者は洞窟探索前の観光客が訪れるプラットフォームをデザインする必要があります。審査員は、遠くから見えるランドマークとして機能し、また訪問者が展望台から周囲の景色を眺められる展望タワーのデザインを求めています。タワーの基部は、1 人用のオフィスと小さなカフェからなる小さなビジターンターに対応できる必要があります。参加者は、全てを 1 つの建物にまとめたり、分割して設計すること、追加の機能を自由に提案できます。このエリアのオーナーは、自然環境を維持するために、地元の遊歩道のデザインも求めています。応募者は、地形全体に展開できる遊歩道のアイデアの提案が求められています。

※コンペ締切日前の公開のため、一部情報は伏せさせていただいています。

The pinnacle that responds to the earth(Tue UNIT)
Black Rock Balloon-Journey to the boundaries(Tue UNIT)
The Rising Earth(Wed UNIT)
tensegrity stone(Wed UNIT)
Walk the Contour(Thu UNIT)
VAPER CAVE TOWER(Thu UNIT)
Tue UNIT
The pinnacle that responds to the earth

アイスランドは北アメリカ・プレートとユーラシアプレートに跨る島国であり、地表でプレートを見ることができる特異な国である。そして、大地変動により両プレートの亀裂は年間約3cm広がっている。

本提案では、両プレート間を跨るようにアーチを設計する。遠くからでも訪れる人の目を奪うピナクルとして機能し、それに加えて、これから先長い年月の時を刻む役割も担っている。

このピナクルは亀裂の拡大と共に形を変えながら、数千年の時を刻み、最終的には両プレート間を繋ぐ橋へと役割を変える。

> 動画2後段
Tue UNIT
Black Rock Balloon-
Journey to the boundaries

大陸プレートの亀裂、クレーター、湖とこの地域が持つ魅力的な景色を存分に楽しむことができるように亀裂の頂点から出現する”Black Rock Balloon”を計画した。

ピナクルとしてのBalloonには、1.ランドマークとしての目印、2.観光や観測を楽しむ役割を備え、訪問者へ様々な境界を越えたり垣間見る体験の旅を提供する。

アイスランドならではの風景として有名な柱状節理の六角形の形をしたピナクルに亀裂を取り込むことにより、ピナクルを大地の一部、まさに柱状節理として表現出来るのではないかと考えた。ピナクルに取り込まれた亀裂は垂直方向に立ち上がり各層を貫く内部にも呼び込み、気球の発着のたびに柱状節理が割られる様子は、ダイナミックな風景を持つこの場所に溶け込む。

> 動画2前段
Wed UNIT
The Rising Earth

地球の表層であるプレートが生まれるこの地に、地表が裂けてプレートとして立ち上がったタワーを計画した。その下からガラスの塊が生まれ、やがてプレートにまたがるようにツインタワーとなり、頂部からは裂け目を見下ろす展望所ができた。これはヨーロッパと北米の二つのプレートにまたがる展望台と、それぞれのプレートに建つタワー、そしてそれらを周辺の景色と共に統合するスロープからなる計画である

>> 動画1後段
Wed UNIT
tensegrity stone

プレートが絶えず生まれ続けているというこの場の持つ動的なエネルギーを形象化するという意図で、プレートがそのままフワッと宙に浮いたかのように見える状態を目指した。浮いたプレートの上に立って風景を眺める観光客自身も、その不思議な光景の一部となる。

直線的なボリュームを避ける為に塔の構造はテンセグリティ構造を採用した。

遠くから見ると、鏡面のランダムなテンセグリティ構造は周辺の風景に溶け、プレートだけを際立たせる

>> 動画3前段
Thu UNIT
Walk the Contour

対象敷地は、大地の割れ目「Grjótagjá」と「洞窟」が見られるアイスランド有数の名所であるが、近年、過度な観光による「自然破壊」が問題となっている。

そこで我々は、自然環境を守るべく、人々が散策するための遊歩道を提案し、その道中に周囲の景色を眺望できるプラットフォームを計画した。

大地に描かれた不整形のラインは、ユーラシアプレートと北米プレートの輪郭を表す。さらに立面上では、「パンゲア」と呼ばれた超大陸が、海嶺付近で隆起し、2つのプレートに分裂して遠ざかっていく姿を表現している。

>> 動画1前段
Thu UNIT
VAPER CAVE TOWER

タワーに求められる機能として大きく2点あると考えた。

・周囲を見渡せること

・周囲にその存在を知らしめること

周囲を見渡せることについては、敷地の地形から、若干の高さを出すだけで平らなツンドラの大地は見渡すことができると考えた。

その際問題となるのは周囲に存在を示す方法である。ここで我々はこの土地の火山活動による上記の発生に注目した。蒸気は空へ向かって伸びてゆき、大きな目印としてランドスケープに存在できる。その蒸気を大切に空へ持ち上げることを考えた。蒸気は高温の水蒸気が冷やされ微細な水滴となりそれが我々の目に見えている状態である。その蒸気化のプロセスを上空で行うべくガラスブリックによる筒を設けた。またその内部では発生した水蒸気を水として使用すべく銅製のメッシュを設けることで水滴として水蒸気を回収する機能を持たせた。いわば2重フィルターを水蒸気にらかけている様な状態である。

大地の生み出したシンボリックな形態をそのまま使用したいということから考えた塔の計画である。

>> 動画3後段